300GHz帯クラスのアンテナは波長が1mmを切り、従来の遠方界測定では測定距離・環境・コストの壁が急激に高くなります。当社は、金属レスの微小EOセンサプローブによる近傍界計測で、この壁を越えます。アンテナ開口面の振幅・位相分布をコンパクトな環境で実測でき、遠方界測定では得られない情報——「アンテナのどこが、どう振る舞っているか」——まで取得できます。対応周波数は1GHz〜330GHz。VNA・エクステンダーが不要な独自の光学ベースシステムのため、特に100GHz以上でコスト面の優位があります。NICT Beyond 5G事業の委託研究で実用化し、アンテナ近傍界計測システムとして提供しています。
「電場を乱さず、そこにある電場をそのまま測る」——光学技術ならではの計測です。
光ファイバの先端にEO(電気光学)結晶を備えた、金属を一切使わず誘電体のみで構成したプローブで電場を直接検出します。金属プローブと違って測定電場に対して低擾乱で、波長がサブミリになる300GHz帯でも、空間分解能と非擾乱性を両立できます。超軽量のため簡易なロボットアームに実装でき、計測環境そのものをコンパクトにできます。
遠方界測定で得られるのは「合成された結果」のパターンだけですが、近傍界計測ではアンテナ開口面の振幅・位相分布そのものが見えます。EOプローブは測定電場に非侵襲なため、アンテナ近傍でもシミュレーションと同じように振幅・位相の分布を取得でき、設計どおりに励振されているかを直接確認できます。近傍界→遠方界変換ソフトウェアで放射パターン・利得も取得します。
遠方界測定に必要な長い測定距離は不要で、計測環境(AUTとEOプローブまわり)は光ファイバで取り廻せるため、既設の電波暗室内への設置はもちろん、小型の電波暗箱やラボ用の簡易シールドテントにも対応できます。プローブ走査はロボットアームで行い、平面・円筒・球面走査に対応します。装置導入(販売)にも、当社での受託計測にも対応します。
| 対応周波数 | 1GHz〜330GHz。Tx側PD(フォトダイオードモジュール)交換で帯域を変更・拡張(1〜70GHz/W帯/D帯/J帯) |
|---|---|
| 方式 | 独自の光学技術ベース。VNA・エクステンダー不要 |
| 走査 | ロボットアームによる平面・円筒・球面走査 |
| 出力 | 近傍界の振幅・位相分布、Near-Far変換S/W(放射パターン・利得) |
| 設置 | 既設暗室/小型電波暗箱/簡易シールドテント(ご提案可) |
| 提供形態 | 計測システムの販売/受託計測 |
300GHz帯の実測から、アンテナ極近傍の素子診断まで。現行システムでの実例です。
300GHz帯のゲインホーンアンテナを円筒走査で近傍界測定し、遠方界変換した事例です。変換した放射パターンはシミュレーションと良い一致を示しており、サブテラヘルツ帯でも近傍界計測→遠方界変換のフローが実用レベルで機能することを実証しています。
28GHzの16素子パッチアンテナを、アンテナからわずか1.5mmの極近傍で計測した事例です。素子一つずつの振幅・位相の分布を評価でき、実測はシミュレーションと良い一致が得られています。アレーアンテナの励振診断・不良素子の特定といった、遠方界測定では不可能な評価ができます。
国の研究開発事業で実用化し、すでに外部のサブテラヘルツ帯アンテナ評価に使われています。
サブテラヘルツ帯アンテナのコンパクトな評価技術(EOプローブによる近傍界計測)を開発・実用化した委託研究(シーズ創出型)。パートナー企業と共同で実施しました。